こんにちは。公認会計士・税理士の阿部です。

　毎月出張で宮崎に行くのですが、「宮崎には公認会計士がほとんどいない」というお話を聞くことがあります。それはそれで事実なのかもしれないですが、社長に公認会計士のイメージを聞くと、「公認会計士はコンサルティングに強い、逆に税務に弱い、とりわけ資産税に弱い」ということでした。イメージなので自由ですが私なりの公認会計士と税理士の一般的なスキルの違いを述べたいと思います。この記事が、「税理士を選ぶ際の基準」にしていただけると幸いです。

 

【世間が抱いている公認会計士と税理士のスキルついて個人的見解】

・公認会計士はコンサルティングが得意

⇒当たっていると思います。

理由は、試験制度にあると私は考えてます。公認会計士の試験は分野の違う複数科目を受験し総合的に合否が決まる試験制度です。また、会社法という法律科目もあり、条文を読解する訓練もされています。そのため公認会計士は、知らない分野でも調べてある程度の結論を出すのが得意であると思います。これはコンサルティング業務にも通じると思います。

 

・公認会計士は税務が苦手、とりわけ資産税が苦手

⇒当たっていると思いますが、得意な公認会計士もいます。

理由は、税法の科目については5科目合格の税理士の方が勉強しているからです。ただし、公認会計士でも、税理士事務所に勤務した経験が長い場合は、税務が得意になりますし、相続専門事務所に勤務していれば資産税も得意となるでしょう。一応公認会計士試験においても2006年からでしょうか？間違っていたらすみません。「租税法」という科目が受験科目になりました。さらに、試験合格3年後に受験・合格しなければならない修了考査試験では、国際税制や組織再編税制など幅広く学習するので大体のことは既に学習済みとなります。そのため苦手というほどでもないのが現状です。

 

・公認会計士は税理士よりも事業承継が得意

⇒これは違うと思います。

事業承継については税理士なのか公認会計士なのかは関係ありません。事業承継の経験があり、成功事例を多く持っているかどうかです。税理士でも事業承継が得意な人もいますし、公認会計士でも事業承継が全くできない人もいます。いえば資格がなくても事業承継の提案が得意な方もいます。

一つあるとすれば、事業承継を行うには株式や株主の話になりますから、会社法を学んでいる公認会計士はその点有利といえるかもしれません。

 

・大きな会社の税務は税理士より公認会計士の方が得意

⇒これは違うと思います。

公認会計士は上場企業の「会計」監査がメインの仕事なので、「会計」のプロです。税務においては、税理士の方に分があるのではないでしょうか。大企業の税務が得意な税理士も多くいます。ただし、税効果会計や減損会計など会計に密接に関連するものは公認会計士の方が得意でしょう。いずれにせよ、税理士であろうが公認会計士であろうがキャリアによります。

 

【お客様は以下の質問をして税理士を選ぶべきです】

公認会計士に聞くべき質問

・税務の経験はどれくらいあるのか

・税理士事務所に勤めたことがあるのか

・コンサルティング経験、成果・成功事例があるのか

 

税理士に聞くべき質問

・どういう経路で税理士登録をしたのか～大学院免除か、税務署出身か、試験合格科目は何か

・得意な分野・税目はなにか

・コンサルティング経験、成果・成功事例はあるのか

 

以上参考になれば幸いです。